創業にかかる費用を最小限に抑え無理なく将来の業務拡大を目指す
Auto up
土橋 直人さん
地域に愛される祖父の養魚場を守りつつ、時代に合わせて進化
滝ヶ谷養魚場
舛本 隆介さん
こんな事業です!
江の川水系の源流に位置するヤマメの養殖場。敷地内には釣り堀があり、雪の深い冬季を除いてヤマメ釣りも楽しめる。2023年に水産製品製造業の許可を取得し、炭火焼きや燻製など、加工品の製造販売をスタート。「炊き込みご飯のもと」も間もなく完成予定で、商品の開発にも力を注ぐ。
安芸高田市美土里町桑田188-2
☎︎0826-55-0758(要予約)
営業時間:10:30~15:00、土日曜・祝日9:00~17:00
定休日:不定休
祖父が長年営んできた養魚場は、幼い頃から何度も訪れた馴染みの場所。江の川の源流に位置し、水がキレイで夏でも水温が度程度に保たれることから、ヤマメの養殖に最適な場所とされています。祖父が高齢で事業を辞めようとしていることを知った舛本さんは、長年地域に愛されてきたヤマメがなくなってしまうのは忍びないと思い、事業を受け継ぐ形で創業を決意。一度なくしてしまえば、これ以上条件が整った環境で再開するのは難しいこと、取引先からも続けてほしいという声が届いていたことが大きな後押しになりました。創業前は近隣の飲食店への卸売のみでしたが、「素晴らしい環境で育ったヤマメの美味しさをもっと知ってほしい」と釣り堀をオープン。しかし、コロナ禍でのスタートとなり、その影響は1年以上経っても続きました。
行き場のないヤマメをどうにかしたいと、まずはプレスリリースで現状を情報発信。ニュース番組に取り上げられると、大手スーパーから取引依頼があり、釣り堀にも多くのお客さんが訪れました。ほっとしたのもつかの間。2022年にはヤマメの生育不良も発生。大変な時期を送る中、商工会の支援で事業再構築補助金の採択を受け、補助金で敷地内に加工場を新設しました。ヤマメを使った新商品の開発にも意欲的に取り組んでいます。経営革新計画の承認も受け、まさにこれから!というところ。釣り堀、加工品など様々な方法でヤマメを顧客に届ける術を見出していく舛本さん。深刻なアクシデントも前向きな思考で進化への足掛かりになりました。
困ったことが起きた時には、商工会などの専門機関にしっかりと相談することが解決への一番の近道だと思います。コロナ禍での創業ということもあり、様々な壁にぶち当たりましたが、その都度こちらの想いを汲みながら最適な道筋を一緒に考えてくれました。